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「腸を整えたらピーナッツが食べられる?」 最新研究のはなし

「腸を整えたらピーナッツが食べられる?」

最新研究のはなし

今日は歯医者らしからぬ話題ですが、実は口と腸は深くつながっています。2026年8月に発表された、腸内細菌を使ってピーナッツアレルギーを改善させたという研究をご紹介します。

## どんな研究だったの?

アメリカ・ボストン小児病院などのチームが、ピーナッツアレルギーを持つ大人15人を対象に行った試験です。健康な人の便からつくったカプセルを飲んでもらい、アレルギー反応がどう変わるかを調べました。

- 抗菌薬を使わずにカプセルを飲んだ10人のうち、3人が改善
- あらかじめ抗菌薬で腸内細菌を減らしてからカプセルを飲んだ5人のうち、3人が改善
- 合計15人中6人(40%)が、ピーナッツを数粒食べられるまでになりました

大きな副作用の報告もなく、こうした効果が人で確認されたのは世界で初めてとのことです。

## なぜ効いたのか、理由もわかってきた

改善した人の腸の中では、バクテロイデス属という細菌が増えていました。この細菌がつくる「胆汁酸の代謝物」という物質が増えると、アレルギーを抑える働きを持つ免疫細胞(制御性T細胞)も増えることがわかったのです。

実際、この物質をつくれないように細菌を改変してマウスに与えると、アレルギーを抑える効果は消えてしまいました。また、改善した人の便をマウスに移植すると、そのマウスもピーナッツアレルギーから守られました。偶然ではなく、腸内細菌のはたらきそのものが効いていたということです。

## 今後の期待と、まだ残る課題

「食べて慣らす」治療(経口免疫療法)とは違う、新しいアプローチとして期待されています。将来的には便そのものではなく、効果のもとになる「胆汁酸代謝物」を薬として使えるようにする研究も考えられています。ピーナッツ以外の卵や牛乳、小麦アレルギーへの応用も今後の研究課題です。

一方で、改善したのは半数以下にとどまり、なぜ効く人と効かない人がいるのかはまだわかっていません。便を移植すること自体の長期的な安全性の検証も必要で、専門家は実用化まで10年前後かかると見ています。現在は12〜17歳を対象とした次の段階の試験も進行中です。

## 歯科医からひとこと:口と腸はつながっている

食べものは口から始まり、腸へと運ばれます。腸内細菌のバランスは全身の免疫にも影響しますが、実は歯周病菌が腸内環境を乱すこともわかってきています。逆に、腸内環境が乱れると口の中の免疫力も落ちやすくなります。

八街の美味しいピーナッツを含め、これからも安心して「食べる」を楽しんでいただくために、口の中のケアと腸の健康、両方を意識していただければと思います。

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**参考文献**

1. Rachid R, Martinez-Blanco M, et al. Fecal microbiome transplant in food allergy in humans and mice identifies a role for bile acid metabolites in oral tolerance. *Science Translational Medicine*. 2026 Aug 5;18(8):eaee3263.
2. ITmediaニュース「『うんこ移植』でピーナツアレルギー改善、15人中6人が数粒食べられるように ヒトの実証は初 Science系列誌掲載」2026年8月7日
3. Reuters「Adjusting gut bacteria may help with peanut allergies」2026年8月7日
4. Gene Engineering News「FMT Shows Promise for Peanut Allergy Tolerance in Phase I Trial」2026年8月7日
5. Boston Children's Hospital「Fecal microbiota transplant for food allergy? A clinical trial」

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