超高齢社会を迎え、平均寿命がのび、人々が長生きできるようになった反面、それに伴い社会保障費などが異常に膨れあがっています。このままいけば、日本の医療財政は破綻してしまいます。そんな中、国が対策の一部として打ち出したのが『かかりつけ医』です。従来、かかりつけ医を持っている人は、何らかの慢性疾患(糖尿病や高血圧、認知症など)に罹患した後、つまり何か病気じゃないと病院にはかかりません。現代の医療は『治療型』であり、国が求めている『予防型』の医療との矛盾が生じます。しかし、これからは、『治す』中心の医療から『防ぐ』『支える』医療への転換、これこそが人生100年時代の医療の在り方であると感じました。
歯科は、メンテナンスや歯周治療で継続的に関わることが多く、『おかわりないですか?』『はい、おかげさまでどこも問題ないです。』この会話ができるのは、健康な人に出会える唯一の医療機関である歯科の特異性であると思います。更に歯科医院は治療や予防を通じて色々な患者さんに幼いころから出会うチャンスがあり、定期的に一生涯を通じて一人の患者さんをずっと診れること、すなわち『連続性のある医療の価値』を携えていることです。患者さんにとって主治医はひとりではありません。けれども歯科では一人の患者さんの口腔の問題をほぼすべて診ることが出来ます。全世代にわたる課題がたくさんあり、これらを一つの歯科医院で全て診ることが出る。しかも世代を超えて連続して診ていくことが出来る。人生100年時代の歯科の強みであると思います。わかな歯科は、患者さんの人生に『かかりつけ医』として寄り添う医療を目指していきたいと思います。
院長 若菜 則孝