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入れ歯作りで超重要!歯医者さんが「歯の揺れ」をチェックする5つの理由

入れ歯作りで超重要!歯医者さんが「歯の揺れ」をチェックする5つの理由

【はじめに】 こんにちは!わかな歯科です。

皆さんは、歯医者さんで入れ歯を作るための検査をしている時、先生がピンセットや指を使って、残っているご自身の歯を「カタカタ」と揺らして調べているのを感じたことはありませんか?

「あれ?なんでわざわざ歯を揺らしているんだろう?」「ひょっとして、抜かれちゃうのかな…?」と不安に思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、ご安心ください!実はこの「歯の揺れ具合(専門用語で『動揺度(どうようど)』と言います)」をチェックすることは、あなたにピッタリ合った、痛くなくて長持ちする入れ歯を作るために、絶対に欠かせない超・重要なステップなのです[1]。

今回は、なぜ歯医者さんが入れ歯作りにおいて「歯の揺れ」をそれほど気にするのか、その5つの理由を分かりやすく解説します!

【第1章】そもそも「歯」って揺れるものなの?

理由をお話しする前に、一つ知っておいていただきたいことがあります。それは、**「健康な歯でも、わずかに揺れる」**ということです。

「えっ!歯は骨にガッチリ固定されているんじゃないの?」と驚かれるかもしれません。実は、歯の根っことアゴの骨の間には、「歯根膜(しこんまく)」という薄いクッションのような膜が存在しています[1]。このクッションのおかげで、私たちは硬いおせんべいを噛んでも、骨に直接衝撃がいかず、心地よく噛むことができるのです。この正常な範囲のわずかな揺れを「生理的動揺(せいりてきどうよう)」と呼びます[1, 2]。

しかし、歯周病などが原因でアゴの骨が溶けて減ってしまったり、一部の歯に異常な力がかかり続けたりすると、歯を支える土台が弱くなり、揺れが大きくなってしまいます[1]。これを「病的動揺(びょうてきどうよう)」と呼びます。

歯医者さんは、この「正常な揺れ」と「病的な揺れ」を見極めるために、精密なチェックを行っているのです。

【第2章】歯医者さんが「歯の揺れ」をチェックする5つの理由

それでは、部分入れ歯(部分床義歯)の設計において、なぜこの「揺れ」のチェックが重要なのか、5つのポイントに絞ってご説明します。

① その歯の「体力」を測るため(負担能力の判定) 部分入れ歯は、金属のバネなどを残っている歯(支えになる歯)に引っ掛けて固定します。もし、大きく揺れて弱っている歯に、硬いお肉を噛むような強い力をかけるバネを取り付けたらどうなるでしょうか?あっという間にその歯はグラグラになり、最悪の場合は抜けてしまいます[3]。 歯の揺れを調べることで、「この歯はどれくらいの力になら耐えられるか(歯の体力)」を正確に測り、その歯に無理のないようなバネの種類や設計を決めているのです[2, 3]。

② 揺れの原因を正しく見極めるため 少し揺れている歯があった場合、それが「クッションの役割による正常な揺れ」なのか、それとも「歯周病で骨が溶けてしまった危険な揺れ」なのかを見分ける必要があります[1, 2]。 正常な揺れの範囲であれば問題ありませんが、病的な揺れの場合は、入れ歯を作る前に歯周病の治療を優先したり、入れ歯の設計を大きく変更したりする必要があります。

③ 噛む力を上手く「逃がす」ため(負担配分) 部分入れ歯を使って食事をするとき、噛む力は「残っている歯」と「歯ぐき(粘膜)」の両方で分担して支えることになります[3]。 揺れが強い歯がある場合、その歯にはなるべく負担をかけず、丈夫な歯や広い歯ぐきの面積を使って力を受け止めるように、入れ歯の形をミリ単位で設計します。これを「力の分散(負担配分)」と呼び、噛んだ時の痛みを防ぐためにとても大切です[3]。

④ 歯同士で「スクラム」を組ませるため(連結固定) 「この歯、少し揺れが大きくて、単独で入れ歯のバネをかけるのは厳しいな…」という場合があります[3]。 そんな時、すぐ隣にあるグラグラしていない丈夫な歯と、被せ物などを使って繋げてしまう(連結固定する)というテクニックを使います。1本では弱い歯でも、隣の歯とスクラムを組むことで、全体の強度が増し、入れ歯をしっかり支えられるようになるのです。歯の揺れ具合は、この「スクラムを組ませる必要があるかどうか」を判断する重要な基準になります[3]。

⑤ 入れ歯を入れた後の「成績表」として(予後の評価) 入れ歯が完成して装着した後も、「歯の揺れ」は非常に重要なサインを出してくれます。 定期検診の際、入れ歯を支えている歯の揺れが「減っている」または「変わっていない」のであれば、入れ歯の設計がバッチリで、適度な力で歯が良い刺激を受けている証拠です[4]。 逆に、装着する前よりも「揺れが大きくなっている」場合は要注意!それは「この入れ歯、私には力がかかりすぎてしんどいよ!」という歯からのSOSサインです。その場合は、すぐに力を逃がすように入れ歯のバネなどを調整し直す必要があります[4]。

【おわりに】

いかがでしたでしょうか? 歯医者さんが皆さんの歯を「カタカタ」と揺らして診ている時間は、決して適当にやっているわけではなく、**「どうすれば残っている大切な歯を長持ちさせながら、しっかり噛める入れ歯を作れるか」**を頭の中で一生懸命計算している時間なのです。

「歯の揺れ」のチェックは、あなたのお口にピッタリ合ったオーダーメイドの入れ歯を作るための、設計図を描く第一歩。

もし、今お使いの入れ歯のバネがかかっている歯が揺れてきたり、噛むと痛みを感じたりする場合は、歯からのSOSかもしれません。我慢せずに、いつでもお気軽に当院にご相談くださいね!いつまでもご自身の歯と入れ歯で、美味しくお食事ができるようサポートさせていただきます。

【参考文献】

[1] 歯根膜の機能と生理的・病的動揺について. KYT Dental Services「Tooth Mobility Classification: Grades and Causes」

[2] Miller SC. Textbook of Periodontia, 1950(Miller動揺度分類);日本歯周病学会 動揺度判定基準(2017年改訂)

[3] 松田謙一「基礎から学ぶ 部分床義歯の設計」Doctorbook academy, 2021年10月配信;「パーシャルデンチャーの力学を再考する―残存組織の保護を第一とした設計指針―」日本顎咬合学会誌, jstage掲載

[4] ペリオテスト(Periotest)による歯牙動揺度の経時的モニタリングに関する製品資料・臨床応用データ. 東京歯科産業株式会社

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