わかな歯科

お知らせ

成田赤十字病院、登録歯科医研修会に参加しました。

糖尿病と歯の健康:
最新の研究から見えてきたこと
 みなさん、こんにちは。昨日、成田赤十字病院で開催された登録歯科医研修会に参加してきました。今回は、その研修会で学んだ最新の知見をお伝えします。
 
内科医の橘先生による貴重な講演
 研修会では、内科医の橘先生による「糖尿病と歯周病の双方向性」というテーマの講演がありました。特に印象的だったのは、「メタボリックメモリー」という概念です。
 
メタボリックメモリーとは
この概念は、高血糖状態が体に及ぼす長期的な影響を説明するものです:
 
1. 高血糖の長期的影響: 長期間の高血糖状態は、体の細胞や組織に持続的な変化をもたらします。
 
2. 血糖コントロールへの影響: この変化により、一時的に血糖値が改善しても、再び悪化しやすくなる傾向があります。
 
3. 合併症リスクの持続: 高血糖状態を長く放置すると、たとえ後に血糖コントロールが改善しても、糖尿病性合併症のリスクが高まる可能性があります。
 
なぜこれが重要なのか
 このメタボリックメモリーの概念は、糖尿病の管理において非常に重要です:
1. 早期介入の重要性: 高血糖状態を早期に改善することで、長期的な悪影響を最小限に抑えられる可能性があります。
2. 継続的な管理の必要性: 血糖値を長期的に安定させることが、合併症予防に重要です。
3. 歯周病との関連: 高血糖状態は歯周病のリスクを高め、逆に重度の歯周病は血糖コントロールを難しくする可能性があります。実際、糖尿病患者さんは歯周病のリスクが約3倍高くなるというデータもあります。
 
私たちにできること
1. 早期の血糖管理: 糖尿病と診断されたら、速やかに適切な治療を開始することが重要です。
2. 継続的な血糖コントロール: 主治医の指示に従い、長期的に血糖値を安定させることが大切です。HbA1cの目標値は、一般的に7%未満とされていますが、個々の状況に応じて設定されます。
3. 定期的な歯科検診: 糖尿病患者さんは、少なくとも3-4ヶ月に1回の歯科検診をお勧めします。
4. 徹底したオーラルケア: 毎日の丁寧な歯磨きと歯間清掃が重要です。特に就寝前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。
5. 生活習慣の改善: バランスの取れた食事、適度な運動(週150分以上の中等度の有酸素運動)、禁煙などが糖尿病と歯周病の管理に有効です。
 
まとめ
 メタボリックメモリーの概念は、糖尿病の早期からの継続的な管理の重要性を示しています。高血糖状態を放置すると、一時的に改善しても再び悪化しやすくなり、長期的な合併症のリスクも高まります。
糖尿病の管理と歯の健康は密接に関連しています。定期的な医科・歯科の受診と日々のケアを通じて、全身の健康を守りましょう。何か気になることがあれば、ぜひ当院にご相談ください。私たちは、みなさんの健康な笑顔のために、最新の知見を活かしたサポートを提供していきます。

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