なぜ入れ歯の型どりを2回もするの?
以前、入れ歯の型どりをした時に、『2回も型どりされた』と訴えられた患者さんがいました。
しかし、学校教育でも医療保険の制度でも、身体になにか問題があり、型どりが難しい患者さんでない限り、1回目の概形印象と2回目の精密印象は行う事とされています。
1回目の概形印象で義歯の設計と個人トレーという患者さん個人のオーダーメイドの
型どりするトレーを作成し、2回目の精密印象で患者さんの筋肉の状態や解剖学的な形態を
模型に精密に再現するためにどちらの工程も大変重要です。
患者さんにとってよりよい義歯を作成する上でどちらも欠かせない処置です。
さらに、今の歯科医療保険の制度上、1回精密印象を採ろうが、5回精密印象を採ろうが、
患者さんの負担する金額は何回型どりしても1回分の金額です。
何回も行う型どりは、患者さんに少しでも使いやすい義歯を作成しようとする
医療者の誠意の表れであることを受け取ってもらうとありがたいです。