口腔内細菌は食道ガンのリスクファクターである!?
食道ガンは、罹患の確率は少ないですが、死亡の確率の高いガンと言われています。日本人の食道ガンの90%以上は扁平上皮ガンで、その最大の原因となる飲酒と喫煙、また塩味や辛み、刺激の強い食物や熱かったり冷たかったりする食物や飲み物が食道粘膜を刺激して粘膜を傷つけます。これが食道ガンの原因と言われてきました。なぜか、この食道ガンに罹る有名人は多いです。それは、有名人はストレスの多いぶん、飲酒、喫煙に頼りがちになるからだと言われてきました。
今回、東京医科歯科大学の研究で、特定の口腔内細菌が食道ガンのリスクファクターとなることが明らかになりました。ある歯周病原細菌が歯垢や唾液から検出されると、食道ガンのリスクが約5~32倍上昇することが科学誌Cancerに2020年11月6日にオンライン版で発表されました。
ということは、これらの歯周病原細菌と生活習慣のアンケートを組み合わせることで、簡単で迅速な食道ガンのスクリーニング方法が開発できるかもしれないという臨床的重要性を示しています。