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# イグノーベル賞で話題!「ウシにシマウマ模様」を描くとハエが減るって本当?

# イグノーベル賞で話題!

「ウシにシマウマ模様」を描くと

ハエが減るって本当?

 今日はちょっと変わった、でも**とても真面目で役立つ科学研究**をご紹介します。
題して——

**「黒毛和牛にシマウマ模様を描いたら、

吸血ハエが半分になった!」**

 思わず笑ってしまいそうですが、これは冗談ではありません。
なんと **2025年のイグノーベル賞(生物学賞)を受賞した研究** なんです。

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## ■ イグノーベル賞とは?

 イグノーベル賞は、アメリカのハーバード大学で毎年発表されるユニークな賞。

 キャッチコピーは **「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」**。

- 「猫は液体のように振る舞えるのか?」
- 「ワニにヘリウムを吸わせたら、鳴き声はどう変わるか?」

など、ちょっとおかしな研究が受賞するのですが、
その裏には **まじめな科学的意義** がしっかりとあります。

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## ■ 牛にシマウマ模様? 実験の中身

 今回の研究は、愛知県農業研究センターの小島朋起氏らのチームによるもの。

 対象は **日本黒毛和牛6頭**。
2017年8月-9月と2018年10月にかけて実験を行いました。

それぞれにこんな「塗装」をして比べました:

1. **白黒の縞模様**(シマウマ風)
1. **黒い縞だけ**
1. **無塗装**(普通の牛・コントロール群)

そして、観察後に撮影した写真から
**ハエの着地数**と**牛の防御行動(頭を振る・足を踏む・尾を振るなど)**を詳しく分析しました。

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## ■ 驚きの結果

### ✅ 着地するハエが大幅減少!

 シマウマ模様を描いた牛では、**吸血ハエの数が統計的に有意に減少**しました。
また、牛の防御行動の回数も明らかに少なくなったのです。

### ✅ 牛のストレス行動も軽減!

 頭を振る、耳を動かす、足踏み、皮膚をピクピクさせる、尻尾を振るといった
**ハエ対策行動の頻度が明らかに減少**。

 つまり、牛にとっても「快適な時間」が増えたのです。

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## ■ どうして縞模様でハエが減るの?

 研究者たちは「**視覚的混乱**」が理由だと考えています。

- 白黒のコントラストがハエの目を惑わせる
- 模様が動いているように見え、着地しにくい
- 最終的な着地動作がうまくできず、止まれない

 まるで「目の錯覚トリックアート」に引っかかってしまう感じですね。

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## ■ 「馬鹿げている」?

それでも大事な研究

「牛にペンキでシマシマなんて、ちょっと変じゃない?」
そう思うかもしれません。

でも、この研究には大切な意義があります。

**環境に優しい**:農薬に頼らず、自然な方法でハエを撃退
**持続可能性**:薬剤耐性のハエ問題を根本的に解決
**動物福祉の向上**:牛のストレスを減らし、快適な生活を提供
**経済効果**:アメリカでは吸血ハエによる畜産被害が年間22億ドルとも

つまり、笑いの裏に **サステナブルな畜産の未来** が見えてくるんです。

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## ■ 実際に農家でも活用されている!

 この研究結果を受けて、**日本の農家では実際に長持ちする塗料を使った実験**が始まっています。

 農家の方々も最初は半信半疑だったそうですが、実際に試してみると効果に驚き、他の牛からも特に嫌がられることもなかったそうです。

 研究チームでは短時間で落ちる塗料を使用しましたが、農家では1か月以上持続する塗料を使用し、実用性を検証しています。

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## ■ まとめ:

科学は「笑い」と「真剣さ」の両立

- 牛にシマ模様を描くと、**吸血ハエが大幅に減少**
- 牛のストレスも軽くなり、動物にやさしい結果に
- **2019年の論文が2025年にイグノーベル賞を受賞**という時間差も興味深い
- 一見おかしな研究でも、**未来を変える可能性がある**

イグノーベル賞は「笑える科学」ですが、同時に
**「考えさせる科学」でもある** ということがよくわかります。

次にニュースで「えっ!?」と思う研究を見かけたら、
その裏にある「本気の科学の力」にも目を向けてみてください。

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## 🔍参考文献

Kojima T, Oishi K, Matsubara Y, Uchiyama Y, Fukushima Y, Aoki N, et al. (2019)  
**Cows painted with zebra-like striping can avoid biting fly attack.**  
*PLoS ONE* 14(10): e0223447.  
<https://doi.org/10.1371/journal.pone.0223447>

The Japan Times. (2025年9月19日)  
**Japanese researchers win Ig Nobel Prize for painting cows with zebra stripes.**  
<https://www.japantimes.co.jp/news/2025/09/19/japan/japanese-researchers-ig-nobel-prize-zebra-painted-cows/>

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*※ この記事の内容は科学論文および報道記事に基づいて作成していますが、詳細については原著論文をご確認ください。*

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