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感動をありがとう!シンディ・ローパー Farewell Tour in 日本武道館(ライブ翌日記)

# 感動をありがとう!シンディ・ローパー Farewell Tour in 日本武道館(ライブ翌日記)

 日本武道館を揺らした熱狂から一夜明け、まだ夢見心地のような気分でこのブログを書いています。昨日、シンディ・ローパーの「Girls Just Wanna Have Fun Farewell Tour」東京公演初日を目撃するという、幸運に恵まれました。私がシンディの音楽に初めて触れたのは小学生の頃。映画『グーニーズ』の主題歌「The Goonies 'R' Good Enough」心を奪われ、生まれて初めて自分のお小遣いでLPレコード『She's So Unusual』を買った日の興奮は、今でも忘れられません。そんな長年のファンにとって、彼女の最後の日本ツアーを見届けられたことは、本当に感慨深い体験でした。

## 国境を超えて愛を届ける「親"ヒト"家」シンディ・ローパー

 71歳という年齢を聞いても信じられないほど、シンディはエネルギッシュで、その魅力は全く色褪せていませんでした。その核心にあるのは、「すべての人をありのまま受け入れる」という揺るぎない信念です。

 驚異的な4オクターブの声域を持つ歌唱力は健在で、特にバラード「I'm Gonna Be Strong」での熱唱は、会場全体の心を揺さぶりました。しかし、彼女の真の偉大さは、その声を通して届ける普遍的な愛のメッセージにあります。

 シンディの「親日家」としての側面は、彼女の持つより大きな「親"ヒト"家」としての本質の表れです。若い頃ニューヨークの日本食レストランでオーナー夫妻に励まされた経験から芽生えた日本への愛。東日本大震災時には「こういう時にこそ、歌の力で日本を元気づけたい!」と多くのアーティストが来日を中止する中、あえてツアーを実施。初来日の1986年に日本のファンが「True Colors」を一緒に歌ってくれたことを「絶対に忘れない」と語る誠実さ。これらすべてが、彼女の人間への深い共感と愛情から生まれています。

 彼女の愛は特定の国や集団だけに向けられたものではありません。「We Are The World」での感動的な歌声、長年のLGBTQ+コミュニティへの支援活動、「True Colors」に込められた「どんなに落ち込んでいても、あなたの個性を出して。私はちゃんと見守っているから」というメッセージ。「Girls Just Want to Have Fun」の歌詞を「女の子たちが本当に求めているのは…基本的人権よ!」と変えて訴える姿。これらはすべて、国境や性別、人種、文化の違いを超えて、一人ひとりの存在を尊重する彼女の哲学の表れです。

 自らも家出や下積み時代の苦労、様々な偏見を乗り越えてきたからこそ、シンディは他者の痛みや喜びに深く共鳴できるのでしょう。デビュー当時からのカラフルで個性的なスタイルも、単なるファッションではなく「自分らしくあることの大切さ」という信念の象徴なのです。

## 愛と共感に満ちたフェアウェルライブ

 「コンバンハ、トーキョー、ゲンキ?」という日本語の第一声でスタートしたライブは、最初から最後まで「つながり」と「愛」に満ちていました。「みんなで踊って、歌って、パーティーにしよう!」と日本語で呼びかけ、時に客席に降りてファンと触れ合うシンディの姿からは、ステージと観客、アーティストとファンという境界を超えて一体になろうとする温かさが伝わってきました。

 曲間のMCでは、通訳を介しながらも丁寧かつユーモアたっぷりに語りかけ、ファン一人ひとりと心を通わせようとする誠実さが印象的でした。それは、音楽を通じて人々をつなぎ、共感の輪を広げていく「親"ヒト"家」シンディそのものの姿でした。

 アンコールの「True Colors」では、シンディが掲げた大きな虹色の布が宙を舞い、会場全体が一つになって歌声を重ねる瞬間がありました。多様性と個性の象徴である虹の色彩の下、年齢も性別も国籍も違う1万人が同じ歌を口ずさむ光景は、まさにシンディが長年伝えてきた「すべての人がありのままで尊重され、つながる世界」の実現のようでした。

 そしてラストは「Girls Just Want to Have Fun」。彼女が敬愛する芸術家・草間彌生さんデザインの赤と白の水玉模様の衣装で登場したことも、日本の芸術家への敬意であると同時に、芸術や音楽を通して国境を超えて人々がつながることへの祝福のように感じられました。

 最後の「ありがとう、バイバイ! じゃあね!」という日本語の挨拶。いつもの「マタネ」がなかったことは寂しくも、このライブを通して彼女が残した「人と人とのつながりの大切さ」というメッセージは、これからも私たちの心の中で生き続けることでしょう。

 シンディ・ローパー、愛と共感に満ちた音楽をありがとう。あなたの「親"ヒト"家」としての温かなメッセージは、時代を超えて私たちに勇気を与え続けます。​​​​​​​​​​​​​​​​

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