お子さんの歯磨き習慣が便秘予防につながる可能性!東北大学の最新研究からわかったこと
# お子さんの歯磨き習慣が便秘予防につながる可能性!
東北大学の最新研究からわかったこと
皆さんこんにちは!今日は、お子さんの歯磨き習慣についての東北大学による最新の研究結果をご紹介します。科学的な調査によると、適切な歯磨き習慣は虫歯予防だけでなく、お子さんの消化器系の健康、特に便秘の予防にも関連している可能性があることがわかりました。
## 東北大学の画期的な研究とは?
東北大学病院顎口腔機能治療部の土谷忍助教らの研究グループが2025年3月7日に発表した研究で、子どもの日常的な歯磨き習慣と「機能性便秘」という症状の間に統計的に有意な関連があることが明らかになりました。
私たち歯科医師は、口腔衛生の観点から「歯を守るためには1日2回以上の歯磨きが大切」とお伝えしていますが、この研究結果から、適切な歯磨き習慣がお子さんの消化器系の健康維持にも寄与する可能性が科学的に示されたのです。
## 「機能性便秘」って何?
「機能性便秘」とは、器質的な疾患(腸の構造的な異常)がないにもかかわらず、排便が困難になる状態を指します。国際的な診断基準である「ROME III」では、排便回数の減少、硬い便、排便時のいきみ、残便感などの症状が一定期間続く場合に診断されます。幼児期に最も一般的に見られる消化器系の症状の一つで、お腹の痛みや不快感、排便時の苦痛を伴うこともあります。
## 研究ではどんなことがわかったの?
この研究は、環境省が実施している「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを活用し、83,660組の母子を対象に分析を行いました。これは日本で行われた出生コホート調査としては最大規模のものです。
研究チームは、機能性便秘の有無を判定するために国際的な診断基準「ROME III」に基づく質問票を使用し、3歳時点と4歳時点でデータを収集しました。また、歯磨き習慣については2歳時点と4歳時点でデータが収集されました。
調査結果から、**2歳の時点で1日2回以上歯磨きをしている子どもは、歯磨きの頻度が低い子どもに比べて機能性便秘の発症リスクが統計的に有意に低い**ことが明らかになりました。
具体的な統計データを見てみましょう:
- 1日2回以上歯磨きをするグループを基準(1.0)とした場合
- 1日1回歯磨きをするグループは、3歳時点での機能性便秘リスクが1.12倍(12%増加)
- 毎日歯磨きをしないグループでは、リスクが1.46倍(46%増加)という結果でした
さらに注目すべきは、3歳と4歳の両方で便秘が継続する「慢性的な機能性便秘」については、歯磨き習慣との関連性がより顕著だったことです:
- 1日1回歯磨きをするグループは慢性的な機能性便秘のリスクが1.22倍
- 毎日歯磨きをしないグループではリスクが1.62倍に上昇
4歳時点のデータ分析では、1日1回以下の歯磨き習慣しかない子どもの機能性便秘の調整オッズ比は1.87(95%信頼区間[CI] 1.34–2.61)で、適切な歯磨き習慣を持つ子どもと比較して機能性便秘になる確率が約87%高いことが統計的に示されました。
## どうして歯磨きが便秘と関係あるの?
研究チームによると、歯磨きがどのように便秘を予防するのかという正確なメカニズムはまだ完全にはわかっていないそうです。でも、いくつか考えられる理由があります:
1. **口の中と腸内の細菌のつながり**:お口の中の細菌と腸内の細菌には関連があり、お口の環境が良くなると腸内環境も良くなる可能性があります
2. **口の刺激と腸の動き**:歯磨きによる口の刺激が、腸の動きを促進する可能性があります(咀嚼やガム噛みなどの口の刺激が腸の活動を高めることがわかっています)
3. **生活習慣全体の影響**:歯磨きをきちんとする家庭では、食生活や排便習慣などの生活習慣全般にも気を配っている可能性があります
## お子さんの歯磨き習慣、どうすればいい?
この研究から、お子さんの健康のためには、2歳頃から1日2回以上の歯磨き習慣をつけることが良さそうだとわかりました。でも、無理に歯磨きをさせることはストレスになることもあります。
### おすすめのポイント
- **楽しく歯磨きする工夫を**:好きなキャラクターの歯ブラシや歯磨き歌などを取り入れてみましょう
- **親子で一緒に**:子どもは大人の真似をするのが好き。一緒に歯磨きする時間を作りましょう
- **習慣にする**:朝起きたときと夜寝る前など、日課に組み込むと習慣になりやすいです
- **褒めてあげる**:「上手に磨けたね!」と褒めることで、歯磨きへの前向きな気持ちを育てましょう
## まとめ
東北大学の研究で、お子さんの歯磨き習慣と便秘の間に関連があることがわかりました。1日2回以上の歯磨きは、虫歯予防だけでなく、お腹の調子を良くする可能性もあるのです!
ただし、研究チームも言っているように、不適切な歯磨きや過剰なケアは逆効果になることもあります。お子さんの歯磨きについて心配なことがあれば、ぜひかかりつけの歯科医師に相談してくださいね。
お子さんの健康な未来のために、楽しく続けられる歯磨き習慣を一緒に作っていきましょう!
## 参考文献
1. 東北大学プレスリリース「ハミガキをする子はおなかの調子もいい~子どもの歯磨き習慣と便秘の関係~」(2025年3月7日)https://www.med.tohoku.ac.jp/5914/
2. 日本経済新聞「東北大、「子どもの歯磨き習慣と便秘の関係」について発表」(2025年3月)https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP688010_X00C25A3000000/
3. 日本テレビ「2歳で1日2回、歯磨き習慣が便秘予防に?歯を毎日磨かないと慢性便秘リスク1.6倍」(2025年3月)https://news.ntv.co.jp/category/society/mm8a77409b79b64b44bf4b175df0aca1bd
4. 環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」https://www.env.go.jp/chemi/ceh/results/publications.html