わかな歯科

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歯の話し: 細菌研究最前線!

歯のお話:細菌研究の最前線!
〜まだ知られていない細菌たちの可能性〜

 皆さん、こんにちは。今回は、最近Natureという世界的な科学雑誌で発表された興味深い研究についてお話しします。

 実は私たち人類、細菌についてまだまだ知らないことがたくさんあるんです。研究によると、なんと74%もの細菌が、ほとんど研究されていないことが分かりました!

■意外と偏っている細菌研究
 研究では、たった10種類の細菌が全研究の半分を占めていることが明らかになりました。その中でも、大腸菌だけで21%も占めているんです。これは車でいうと、1000種類以上ある車の中で、10台の車種だけを徹底的に調べているようなものですね。

■未研究の細菌たちに秘められた可能性
 では、まだ研究されていない細菌たちを調べることで、どんな良いことがあるのでしょうか?

1. 新しい予防法や治療法の発見
 例えば、虫歯や歯周病を防いでくれる「味方」の細菌が見つかるかもしれません。今の抗生物質が効かない細菌への新しい対策も見つかるかもしれません。

2. お口の中の環境をもっと理解できる
 健康なお口の環境を作る細菌のバランスについて、新しい発見があるかもしれません。また、虫歯や歯周病がどうやって起きるのか、より詳しく分かるようになるでしょう。

3. 一人一人に合った治療が可能に
 皆さんお一人お一人の口の中の環境に合わせて、最適な治療法を選べるようになるかもしれません。

4. 全身の健康との関係も解明
 お口の健康が体全体の健康とどう関係しているのか、新しい発見があるかもしれません。

■気をつけなければいけないこと
 もちろん、まだ知られていない細菌には注意も必要です:

・今の治療法が効かない可能性がある
・思わぬ感染経路があるかもしれない
・今の消毒方法が十分でない可能性がある
・予想外の病気との関係が見つかるかもしれない

■私たちにできること
 新しい発見に期待しながらも、今できる感染予防はしっかり行っていく必要があります。私たち歯科医師も、最新の研究成果を学び続け、より安全で効果的な治療を提供できるよう努めていきます。

 皆さんも、定期的な歯科検診とご自身でのケアを続けていただければと思います。まだまだ分からないことがたくさんある細菌の世界。これからも新しい発見をお伝えしていきますね。

 ご質問やご相談があれば、いつでもお気軽にお声がけください。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回もまた、皆さんのお役に立つ情報をお届けしていきます!​​​​​​​​​​​​​​​​

参考文献:
Nature. “These are the 20 most-studied bacteria — the majority have been ignored.” 10 January 2025.

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