# インフルエンザ流行期における注意喚起 - 歯科医からのアドバイス
# インフルエンザ流行期における注意喚起 - 歯科医からのアドバイス
こんにちは。今回は、現在急増しているインフルエンザについて、特に口腔ケアの観点からお話しさせていただきます。
## 現在の感染状況が深刻化
全国的にインフルエンザの感染者数が急増しており、特に関東(千葉県周辺)、中部地域の一部、そして九州地方(福岡県、大分県、鹿児島県)で警報レベルとなっています。第51週には定点当たり42人を超え、過去2年間で最も高い水準となりました。
## 複合感染の危険性に関する最新研究
Jennifer S McDanel , Eli N Perencevich ,Jeremy Storm Daniel J Diekema
Emerg Infect Dis. 2016 Jul;22(7):1253–1256.
メリーランド州とアイオワ州の研究チームの調査によると、インフルエンザと黄色ブドウ球菌の複合感染では、以下のような結果が報告されています:
- インフルエンザ単独感染の死亡率は28%
- 複合感染の場合、死亡率は単独感染の4倍以上に上昇
特に注意が必要な方:
- 糖尿病をお持ちの方
- 高齢の方
- 免疫機能が低下している方
## 口腔内細菌についての正しい理解
健康な口腔内にも、以下のような細菌が常在しています:
- 黄色ブドウ球菌
- 肺炎球菌
- インフルエンザ菌
これらの細菌は通常は無害ですが、ウイルス感染との複合により重症化のリスクが高まることが分かっています。
## 効果的な予防対策
1. 毎日の口腔ケア
- 毎食後の丁寧な歯磨き
- 舌苔の除去
- 適切な歯間清掃
2. 全身の感染予防
- マスクの着用
- 手洗いの励行
- 十分な睡眠と栄養摂取
## 年末年始における注意点
新型コロナウイルスの感染者数も若干の上昇傾向にあり、インフルエンザとの同時流行が懸念されます。年末年始の人の移動に伴い、さらなる感染拡大のリスクが高まることが予想されます。
## おわりに
複合感染を予防するためには、日常的な口腔ケアが極めて重要です。ご自身と大切な方々の健康を守るため、適切な予防措置を心がけていただければと思います。定期的な歯科検診も感染症予防の重要な要素となりますので、ぜひ忘れずに受診してください。
## 追伸
グラフから見て取れるように、インフルエンザの感染者数は第51週をピークに減少傾向に転じつつありますが、新型コロナウイルス感染症の患者数が若干の上昇傾向を示しています。過去の流行パターンからも、お正月の人の往来に伴い、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されます。
年末年始のご挨拶や初詣など、人が集まる機会が増えるこの時期は、マスク着用や手洗い、うがいなどの基本的な感染対策と併せて、しっかりとした口腔ケアを心がけていただければと思います。皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。