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歯の健康が腎臓の健康にも影響する?

歯の健康が腎臓の健康にも影響する?最新の研究結果をご紹介

皆さま、こんにちは。今回は、歯の健康と全身の健康との関係について、興味深い研究結果をご紹介します。

【lemonede studyとは】


https://www.med.nagoya-u.ac.jp/yobo/lemonade/lemonade/

『既存歯数と維持透析療法との関連:成人男性歯科医の横断的研究』

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0309012

はい、この研究内容を順を追って詳しく解説いたします。

1. 研究の背景
   - 腎疾患患者の口腔健康状態に関する観察:
     - 腎疾患患者では歯周病や虫歯(齲歯)が多く見られることが知られています。
   - 既存の知見の限界:
     - しかし、口腔衛生状態と末期腎不全(ESKD: End-Stage Kidney Disease)との具体的な関連性については、まだ明確に解明されていませんでした。

2. 研究の目的
   - 研究チーム:
     - 名古屋大学の若井健志教授を中心とする研究グループが取り組みました。
   - 主な目的:
     - 口腔衛生状態(特に歯の喪失)とESKDの発症リスクとの関連性を科学的に明らかにすることを目指しました。

3. 研究の方法
   - データソース:
     - LEMONADE Study(日本の歯科医師を対象とした大規模な疫学調査)のデータを活用しました。
   - 調査期間と対象:
     - 初期登録:2001年から2006年にかけて21,272人が参加。
     - フォローアップ調査:2016年から2017年に16,128人に質問票を送付。
   - 回答状況:
     - 8,722人から回答を得ました(回答率約54%)。
   - 分析対象:
     - 回答者の中から男性7,479人のデータを最終的な分析対象としました。

4. データの分析手法
   - グループ分け:
     - 参加者を残存歯数に基づいて2つのグループに分類:
       1. 23本以上の歯がある群(6,263人)
       2. 23本未満の歯がある群(1,216人)
   - 統計分析:
     - 多重ロジスティック回帰分析を実施。
     - 調整因子:年齢、BMI(体格指数)、喫煙歴、高血圧、糖尿病など、ESKDに影響を与える可能性のある要因を考慮に入れました。

5. 研究結果の概要
   - 主な発見:
     - 65歳以下の男性において:
       - 歯の喪失(23本未満)がESKDのリスク増加と統計的に有意な関連を示しました。
     - 65歳を超える男性において:
       - 歯の喪失とESKDリスクとの間に有意な関連は見られませんでした。

6. 研究の結論と示唆
   - 主要な結論:
     - 65歳未満の男性では、歯の喪失がESKDリスクの増加と関連していることが確認されました。
   - 臨床的示唆:
     - 研究者は、ESKDの予防には、腎臓医、透析医、歯科医の連携が重要であると強調しています。
     - この結果は、口腔衛生の管理がESKDの予防に寄与する可能性を示唆しています。

7. 研究の強み
   - データの信頼性:
     - 歯科医師を対象としているため、残存歯数に関する自己申告データの正確性が高いと考えられます。
   - 交絡因子の制御:
     - 歯科医師という比較的均質な集団を対象としているため、社会経済的な要因による影響(交絡)が少ないと推測されます。

この研究は、口腔衛生状態(特に歯の喪失)とESKDリスクとの関連性に新たな洞察を提供し、予防医学の観点から重要な示唆を与えています。特に若年から中年の男性における口腔ケアの重要性を強調しており、腎臓病予防の新たなアプローチの可能性を示唆しています。​​​​​​​​​​​​​​​​

# 歯の本数と腎臓病のリスク

名古屋大学の研究チームが行った最新の調査で、驚くべき結果が明らかになりました。なんと、歯の本数が少ない人ほど、重度の腎臓病になるリスクが高くなる可能性があるのです。

## 研究の概要

- 対象:日本の歯科医師約7,500人(男性)
- 方法:歯の本数と腎臓の健康状態を調査
- 結果:65歳以下の方で、歯が23本未満の人は、23本以上の人と比べて約4~5倍も腎臓病のリスクが高かった

## なぜ歯の本数が関係するの?

歯の本数が少ないということは、歯周病などの口の中の病気にかかっている可能性が高いことを示しています。口の中の細菌が血液を通じて全身に広がり、腎臓にも悪影響を与える可能性があるのです。

## 私たちにできること

1. 定期的な歯科検診を受けましょう
2. 毎日の歯磨きを丁寧に行いましょう
3. バランスの良い食事で、歯も体も健康に保ちましょう

## まとめ

この研究結果は、歯の健康が全身の健康に大きく関わっていることを改めて示しています。特に若い世代の方々は、今のうちから歯の健康に気を付けることで、将来の腎臓病リスクを下げられる可能性があります。

私たち歯科医師は、皆さまの歯の健康だけでなく、全身の健康をサポートする重要な役割を担っています。定期的な歯科検診で、あなたの健康をしっかりとサポートしていきますので、ぜひ気軽に当院にお越しください。

健康な歯で、健康な体を。一緒に頑張りましょう!​​​​​​​​​​​​​​​​

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