梅雨の季節も注意したい『口の中のカビ』問題
梅雨の季節がやってきました。湿気が増すこの時期、私たちの身の回りにはカビが繁殖しやすい環境が整います。実は、このカビの問題は口の中でも起こりうるのです。
特に義歯を使用している方は要注意です。義歯と口腔カンジダの相性は驚くほど良く、口腔カンジダ症が発生しやすくなります。口腔カンジダ症は、口の中に常在するカンジダ菌という真菌(カビの一種)が異常繁殖して起こる病気です。
【口腔カンジダ症とは?】
カンジダ菌は通常、無害ですが、条件が整うと日和見感染を引き起こす可能性があります。特に義歯を使用している高齢者は注意が必要です。口腔カンジダ症の原因の多くは、カンジダ・アルビカンスという種類の真菌です。
【カンジダ・アルビカンスの特徴】
- 常在菌:健康な状態でも口腔内に存在します。
- 日和見感染:免疫力が低下すると増殖し、問題を引き起こします。
- バイオフィルム形成:ヌルヌルとしたバイオフィルムを形成します。
【カンジダ・グラブラータの増加】
近年、カンジダ・グラブラータという種類の真菌も増加傾向にあります。抗真菌薬に対する耐性が高く、免疫力が低下した患者さんで問題になることが多いです。
【口腔カンジダ症の予防方法】
- 適切な口腔ケア:定期的な歯磨きと洗口を心がける。
- 免疫力の維持:バランスの取れた食事と十分な睡眠をとる。
- 抗生物質の適切な使用:必要以上の使用を避ける。
カンジダ菌は私たちの口腔内の生態系の一部です。適切な口腔ケアと全身の健康管理により、これらの菌と共存しながら健康な口腔環境を維持することが可能です。定期的な歯科検診も重要ですので、気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診することをお勧めします。
【他のカンジダ菌について】
カンジダ菌は多くの種類があり、膣カンジダ症や侵襲性カンジダ症など、感染部位によって異なる症状を引き起こします。特にカンジダ・グラブラータは抗真菌薬に対する耐性が高いため、治療には注意が必要です。
【まとめ】
梅雨の季節、口腔内のカビ問題には注意が必要です。特に義歯使用者は口腔ケアを徹底し、適切な予防策を実践することで、カンジダ菌の異常繁殖を防ぐことができます。定期的な歯科検診を受け、健康な口腔環境を維持しましょう。