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医師の脱臼歯の診断について思うこと②

【ニュースの概要と一般的な見解】

 今回の福井でのニュースは、内科医が脱臼歯に判断を誤り、その結果賠償金を支払うことになったというものです。このニュースが注目されている理由は、日本の法律において医師と歯科医師の役割が明確に区分されており、通常、医師は歯の治療を行うことができないためです。この事件では、内科医が歯の治療と診断を適切に行わなかったとされていますが、医師にはその専門性がないため、医療界からは不満の声が上がっています。今後、顔面外傷の患者を受け入れる際には、歯の損傷についても確認する必要があると指摘されています。

 でも、本当に医師は歯科医療行為を行えないのでしょうか?

 医師も一部を除いて歯科医療行為を行えます。厚労省通知によれば、「歯科医行為であると同時に医行為でもある」という項目が存在し、それについては、「医師であれば、右の行為を当然なし得るものと解される」とされてます。

 確かに、医師法、歯科医師法と言う観点から言えば、医師であっても、専門外の歯科治療は行えません。特に歯科の独占業務である『齲蝕の充填』『歯の欠損補綴』『歯科矯正』は行ってはいけませんが、

医師法では、

『抜歯、歯肉炎、歯髄炎、う蝕の治療(充填以外)、口腔外科に属する行為は歯科医行為であると同時に医行為でもあるので医師でも行えるとなっています。

確か、医師は医療法によって抜歯は行うことができて、しかも医科の方が保険点数も高かったと言う認識です。昔、教務職をほんの少しだけやってた時に、医学部の学生に授業の資料作りとテストの採点のお手伝いをしたことがあります。大学にもよると思いますが、一部ではありますが、カリキュラムに組まれていたし、医師国家試験の出題基準に少しだけ歯科はあったと思います。

厚生労働省『令和6年度版医師国家試験出題基準について

歯科医師の立場から見ると、この事例は非常に残念な出来事であり、救急医療の重要性を浮き彫りにしています。歯の脱落は、適切な処置が迅速に行われれば、再植が可能な場合が多いです。このケースでは、正しい診断と治療の機会が失われたことで、患者さんは永久的な損失を被ることになりました。

救急時には、歯科医師が直ちに対応できない場合でも、非歯科専門の医師が基本的な歯科救急処置を理解し、適切な応急処置を提供できるよう、十分なトレーニングとマニュアルの整備が求められます。今回の事例のように、誤診により適切な治療時機を逸した場合、それが患者さんの生涯にわたる影響を及ぼす可能性があるため、医療機関はこのような事態を未然に防ぐための対策を講じる必要があります。

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