トキワ荘訪問記録
【 漫画の聖地 】
漫画ファンなら誰もが憧れる、伝説のアパート「トキワ荘」。今日はその歴史ある場所を訪れ、漫画家たちの息吹を感じることができました。
【 トキワ荘の歴史 】
1952年に建てられたこの木造二階建てのアパートは、手塚治虫や藤子不二雄など、後に漫画界のレジェンドと呼ばれる人々が共同生活を送った場所。彼らはここで切磋琢磨し、数々の名作を生み出しました。残念ながら1982年に老朽化のため解体されましたが、その精神は「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」として今も引き継がれています。
【 赤塚不二夫と石ノ森章太郎 】
トキワ荘には、漫画家たちのユーモア溢れるエピソードが数多く残されています。特に有名なのは、赤塚不二夫さんが共同台所で入浴を試みた話。
仕事もなく、お金もない苦しい日々を送っていた赤塚さんは、他の住人に見つからないように台所でこっそりと入浴しました。しかし、その様子を石ノ森章太郎さんに目撃されてしまいました。石ノ森さんは怒るどころか、一緒に水浴びを楽しんだとか。このエピソードは、トキワ荘の住人たちの団結とユーモアの精神を象徴しています。
【ラーメン大好き小池さんのモデル】
「ラーメン大好き小池さん」のモデルである鈴木伸一氏は、トキワ荘時代の思い出として、ラーメンが美味しくなる秘訣について語っています。鈴木氏の話によると、ラーメンを持ってくるまでの時間と揺れが麺にちょうどよく、それがおいしさの秘訣だとか。また、鈴木氏はトキワ荘での貧乏生活を経て、アニメーション作家としての道を歩み始めたことも語られています。
【松葉のラーメンとチューダー】
中華料理店『松葉』のラーメンと『チューダー』に関するエピソードも興味深いものがあります。この『松葉』は、トキワ荘の漫画家たちが愛した中華料理店です。この店は、今もトキワ荘の近くに存在しており当時と同じ煮干しベースのラーメンが食べられます。トキワ荘の歴史を感じながら、漫画家たちが味わった料理を楽しむことができます。『松葉』は、漫画家たちのエッセイや作品に頻繁に登場しており、その名前は多くのファンにとって馴染み深いものになっています。
また『松葉』では、『スポーツマン金太郎』や『背番号0』の寺田ヒロオ氏が考案した『チューダー』というドリンクも提供されています。この『チューダー』は、焼酎とサイダーを割ったもので、漫画家たちに愛された名物ドリンクです。焼酎とサイダーの比率は3:7で昭和30年当時は氷を入れてなかったそうです。
『チューダー』は、トキワ荘の漫画家たちが集まる場所で愛された飲み物であり、その名前の由来は、ショーチュウ(焼酎)の「チュウ」にサイダーの「ダー」を足して作った造語だと言われています。涼しげな見た目と、焼酎のスッキリした味わいに、サイダーの爽やかな甘みが調和して、少年時代の夏の日を思い出させる一杯です。
ある日、鈴木伸一氏が『松葉』でラーメンを食べたあと、チューダーを2杯のみ、その後「ふるいちトキワ通り店蔵【KURA】でさらにチューダーを楽しんだそうです。
このようなエピソードは、トキワ荘の漫画家たちの日常や交流の一端を垣間見ることができ、漫画だけでなく、彼らの生活にも興味を持つファンにとっては貴重な話です。
【 トキワ荘の今 】
現在のトキワ荘マンガミュージアムでは、当時の漫画家たちの作品や生活が再現されており、訪れる人々に大きな感動を与えています。私もその一人として、漫画家たちの創造の源泉に触れることができ、非常に充実した時間を過ごすことができました。
https://youtu.be/GANgDzzEWk8?si=JFJfgorEAk5owSE1