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【国立ハンセン病資料館、訪問記】

 この間、お休みを利用して非常勤の渡井先生と『国立ハンセン病資料館』に行ってきました。

 

 日本では、医療の現場だけではなく、社会全体においても、病に対する誤解と偏見が根強く残っていることを痛感しています。特に、ハンセン病に対する歴史的な偏見は、今日でも多くの方々の心に影を落としています。このたび、国立ハンセン病資料館を訪れ、ハンセン病とその周辺の問題について学ぶ機会を得ました。資料館は、ハンセン病に関する正しい知識の普及と、偏見や差別の解消を目的として設立されました。展示されている資料は、ハンセン病の医学的側面だけでなく、患者さんたちの生の声や、社会における彼らの立ち位置に光を当てています。

『ハンセン病』とは

ハンセン病はらい菌による経過の慢性な感染症です。感染して発病するとは限らず、今では発病自体が稀です。また、万が一発病しても、急激に症状が進むことはありません。治療薬がない時代には変形を起こすことや、治っても重い後遺症を残すことがありました。現在では有効な治療薬が開発され、早期発見と早期治療により後遺症を残さずに治るようになりました。

【ハンセン病の歴史と現在】

 しかし、かつては治療法が確立されておらず、多くの患者さんが社会から隔離される苦痛を味わいました。資料館では、そうした過去の歴史を振り返りつつ、現代の医学によってどのように病気が克服されているかを学ぶことができます。

【偏見と差別に立ち向かう】

 資料館の展示は、ただ事実を伝えるだけでなく、来館者に対して深い思索を促します。ハンセン病に対する偏見や差別は、単に無知から生じるものではなく、社会的な構造や文化的背景に根ざしていることを理解させてくれます。私たちは、医療従事者としてだけでなく、一人の人間として、こうした問題にどう向き合い、どう解決していくべきかを考える責任があります。

【結び】

 国立ハンセン病資料館の訪問は、私にとって大きな学びとなりました。ハンセン病に対する理解を深めることは、医療従事者としての自分を成長させるだけでなく、より公平で寛容な社会を築く第一歩となるでしょう。私たちの小さな行動が、偏見のない社会へと繋がることを信じています。

国立ハンセン病資料館 HP

https://www.nhdm.jp/

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