ゆっくりよく噛んで食べると太りにくいの?①
『よく噛んでカロリー消費』 ~ 咀嚼の重要性 ~
子供の頃、「よく噛んで食べなさい。牛乳もよく嚙んでから飲みなさい。」と言われました。日本のことわざでも、「早飯、早○○、早算用」と言った、早く食べることは特技であるという意味のことわざや、英語でも「Quick and meat Quick at work」といった仕事が早いことを褒め称える意味のことわざがあるとおり、食べる事が早い人は、仕事も手早であるというような例えとしても使われます。古今東西、早く食べることは美徳であるとされてきました。しかし、昨今、早食いは健康的にデメリットだらけであることがわかってきました。
最近の研究で、よく噛んでゆっくり食べると消費カロリーが増えることがわかりました。実際、ゆっくり食べる人ほど体脂肪率も低いそうです。
https://www.titech.ac.jp/news/2014/027599
その理由として、
①ゆっくり食べると嚙む回数が多くなります。
②嚙む回数が多いほど胃や小腸に血液を送る動脈の血液量が増え、その結果DIT(食事誘発性熱産生)が大きくなる ということがわかりました。
例)300kcalのブロック状食品(カロリーメイト3本)
急いで食べる 平均 103秒 / 咀嚼回数 137回 / 消費エネルギー 体重1kgあたり 7kcal(90分後)
食べる 平均 497秒 / 咀嚼回数 702回 / 消費エネルギー 体重1kgあたり 180kcal(90分後)
※体重60kgの人が1日3回摂取した場合、咀嚼の違いで1年間で咀嚼の違いで1年間で食事誘発性体熱生産量に約11000kcalの差が生じる。脂肪に換算すると1.5kgに相当します。当然、消化管血流量もゆっくり食べた方が有意に増加します。
⇒ ゆっくり食べる ⇒ 消化吸収活動が増加 ⇒ エネルギー消費量が増加
★ポイントは、嚙む回数です。
また、女性を対象に、おにぎりで行った別の実験では、食べるのが遅い人ほど体脂肪率が低い傾向があることもわかりました。
早食いが体重増加に影響を与える事はわかりました。ところがこれらの研究では、飲み込む際の食塊の大きさが食事誘発性体熱産生DITに影響を与えるかどうかがわかりませんでした。では、食物の形状(固体状・液状)での違いで消費エネルギーに違いはあるのでしょうか?
https://www.waseda.jp/top/news/77113
結果)固形食だけでなく、液状の食べものであっても、ゆっくり味わい、よく噛んで摂取することで、食事誘発性体熱産生DITを増加させることが明らかになりました。さらに、飲料でも固形食と同程度の食事誘発性熱産生DITが得られることがわかりました。
「ゆっくり味わって、よく噛んで食べること(咀嚼すること)」が
食事誘発性体熱産生量DITを増加させることがはっきりしました。
◎これが、早食いが体重増加につながるメカニズムの一端です。
食物が個体か液体かに関わらず、咀嚼が食後のエネルギー消費量の増加を導くことが示され、
「よく噛むこと」が減量に結びつく可能性があると言うことです。
【ゆっくり食べるダイエットのポイント】
①ゆっくり食べる
②嚙む回数を増やす
③内臓の血流量が増える
④食事誘発性体熱産生DITが増える