飢えて、食べて、死ぬ!? ~ リフィーディング症候群 ~
戦国時代、豊臣秀吉が敵軍に対して兵糧攻めを行った後、投降してきた兵士たちに飯を振る舞ったところ、何人もバタバタと死んでいったと言う話があります。秀吉は決して飯に毒を盛った訳ではありません。それを現代医学では、飢餓状態の人間に突然大量の栄養を摂取させたことによるショック死・・・つまりリフィーディング症候群を発症したと解明されています。
『リフィーディング症候群』とは、慢性的な栄養障害がある状態に対して、急激に栄養補給を行うと発症する、代謝性の合併症です。飢餓状態が長く続いた後に急に栄養補給されると、心不全や呼吸不全、腎不全、肝機能障害ほか多彩な症状を呈することがあります。
低栄養状態にある人というのは、摂食障害などで長期に絶食している人や、摂食嚥下障害などで長期に低栄養の高齢者、アルコール中毒の人や闘病中で低栄養状態が続いている人などで注意が必要です。
栄養摂取は病気の治癒には必要不可欠ですが、長期間低栄養にさらされていた人にとって、栄養の与えすぎは死につながる恐れがあることを知っておいてください。